円満井会定例能『杜若』

今年は円満井会定例能にて能『杜若』を勤めます!
地謡(コーラス)では何度か謡った事のある曲なので、能の曲の中では馴染み深い方ですが、シテ(主役)を勤めるのは初めてです!初夏に咲く爽やかな杜若の青紫色が大好き。尾形光琳の『燕子花図』所属で有名な根津美術館の園庭でも少しずつ杜若の蕾がほころび始めているようです。お誘いあわせの上、是非ご来場くだされば幸いです。

日時:2023年6月10日(土) ※能『杜若』は第二部14時30分開演
於:矢来能楽堂(東京都新宿区矢来町60) 

第一部12時30分(12時00分開場)
仕舞 弓八幡 村岡聖美
仕舞 富士太鼓 安達裕香
能 敦盛 シテ本田布由樹 

第二部14時30分(14時20分開場)
仕舞 安宅 山井綱雄
仕舞 鵜ノ段 井上貴覚
能 杜若 シテ柏崎真由子 

第三部16時30分(16時20分開場)
狂言 清水 野村万之丞
能 葵上 シテ森瑞枝

入場料:各部一般3,000円 通し券7,500円
    各部25歳以下優待券1,000円 通し券3,000円

於:矢来能楽堂(162-0805 東京都新宿区矢来町60)
東京メトロ東西線「神楽坂」駅 2番出口(矢来口)より徒歩5分
都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」駅 A1出口より徒歩8分

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【杜若あらすじ】
 舞台は三河国(現在の愛知県知立市八橋町)。旅の僧(ワキ)が今を盛りと沢辺に咲く杜若に見とれていると、一人の女(シテ)が現れ、ここは伊勢物語にも記された杜若の名所・八橋の里と教える。続けて、在原業平が『かきつばた』の五文字を句の上に置き、「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ」と恋慕を詠んだ和歌を紹介し、杜若は業平の形見の花と昔を偲ぶ。日も暮れ、一夜の宿を貸そうと女は僧を自らの庵へと案内する。
 僧が休んでいると、女は美しい唐衣を着、透額(前額部の髪の生え際が透いて見える模様の入ったもの)の冠を戴いた姿で現れる。杜若の歌は、高子の后への想いを唐衣に託して詠んだもの。この唐衣こそ高子の后の品、冠は業平のもの。そして、自分は歌に詠まれた杜若の花の精と素性を明かす。杜若の精は業平の歌の讃え、舞を舞いはじめる。業平は歌舞の菩薩の化身。迷える人々を救うべく、仮にこの世に現れた。その歌は非情の草木をも救いに導く力がある。伊勢物語に記された業平の歌を引きながら、歌の功徳で草木の身ながら成仏が叶ったことを明かし、夜明けと共に消えていった。